| 「子供のための音楽教室」の開設趣意書 |
私たちの立場
「子供のための音楽教室」の運営につきまして、私たちはこう考えている次第です。
今まで私どもの国の音楽教育には、ふたつの大きな欠点がありました。
(1)教育を受けるのがおそすぎる。
(2)音楽の知識を習うことが軽視されるか、さもなければ抽象的にだけおこなわれた。
音楽の教育は、幼い時からはじめればはじめるほど、楽に、確実に、高いところまで進歩できるということは、古今の名音楽家といわれるような人が、ほとんど例外なくそうした経験をふんできたことをみても明らかな事実です。
一、なるべく小さい時から、正規の教育をはじめる。
二、聴音教育を行なって正しい音感(旋律やハーモニーやリズムを正確にきき分けつかみとる
力と、音楽、つまり本当に音楽的な音とは何かについての感性)を育てる。
三、以上と平行して、順をおって理論や知識を組織的に教える。
四、演奏のさまざまなスタイルを区別し、各生徒が自分に本当にぴったりしたスタイルで音楽す
る力をつける。
五、個人演奏だけでなく、合唱、合奏の訓練をする。
このために、私たちは、児童の教育に十分な経験をもった良心ある音楽家を教師に委嘱しました。私たちはこのほか、必要に応じ、特別講座を開き、生徒向けのものばかりでなく、父母の方々や、一般の成人のための音楽講座を開設したいと思っております。音楽教育ばかりでなく、広く日本文化の前進に深い関心をもっていらっしゃる方々の力強い御協力と御支持とを心から御願い致します。
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昭和二十三年九月
子どものための音楽教室
吉田秀和 井口基成 斎藤秀雄
伊藤武雄 柴田南雄 |
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